結婚したいくらい好きだった彼女と別れて
高畑さん
(さーちゃん)
(さーちゃん)
大学生になっても、周りの女友達にはカミングアウトできないでいたのですが、また私のことを良いと思ってくれる男の子が現れて、お付き合いしてみました。でもやっぱり楽しくなくて、3ヶ月で別れてしまいました。
その後、今度は好きな女の子ができたんです。その子のことは、高校のとき好きだった子を忘れるくらい大好きになりました。
それで、一緒に遊んで相手の家にお泊まりした日に、思い切って告白したんです。
すると、その子は私のことを純粋に友達として考えていたから「えー!?」と、すごくビックリしていました。でも、そのときにその子には、過去のこれまでの葛藤とか失恋したこととか、全部話せたんですね。するとその子、泣いてくれて。
「私もさーちゃんのこと好きだよ。でも、どういう好きか分からないんだ。だけど、過去のこととか聞かせてくれて嬉しかったよ」
って言ってくれたんです。
そのことにすごく驚きました。「伝えてもいいんだ」「こうやって、否定しないで受けとめてくれる人がいるんだ」ということが分かった初めての出来事でした。 そして、二ヶ月後のクリスマスに思い切ってもう一度お誘いして告白したら、お付き合いできることになったんです。
その子と付き合いだしてからは、それまで気になっていた周りの目が気にならなくなりました。結婚したいと本気で考えたくらい、大事な人でした。
その後、今度は好きな女の子ができたんです。その子のことは、高校のとき好きだった子を忘れるくらい大好きになりました。
それで、一緒に遊んで相手の家にお泊まりした日に、思い切って告白したんです。
すると、その子は私のことを純粋に友達として考えていたから「えー!?」と、すごくビックリしていました。でも、そのときにその子には、過去のこれまでの葛藤とか失恋したこととか、全部話せたんですね。するとその子、泣いてくれて。
「私もさーちゃんのこと好きだよ。でも、どういう好きか分からないんだ。だけど、過去のこととか聞かせてくれて嬉しかったよ」
って言ってくれたんです。
そのことにすごく驚きました。「伝えてもいいんだ」「こうやって、否定しないで受けとめてくれる人がいるんだ」ということが分かった初めての出来事でした。 そして、二ヶ月後のクリスマスに思い切ってもう一度お誘いして告白したら、お付き合いできることになったんです。
その子と付き合いだしてからは、それまで気になっていた周りの目が気にならなくなりました。結婚したいと本気で考えたくらい、大事な人でした。
初めて心から好きな人と付き合うことができた高畑さん。
この後、高畑さんは大学を卒業して小学校の先生になりますが、社会人生活の中で苦境に立たされます。そんな折、就職で遠距離恋愛になった彼女からの連絡が、途絶えがちなっていきます。
幸せから一転、なんだか不穏な雲行きです……。
高畑さん
(さーちゃん)
(さーちゃん)
教師時代は仕事で壁につきあたったことで精神的に追い詰められて適応障害になり、苦しい時代となりました。
そんな折に、同じく教師として働いていて遠距離恋愛の状態だった彼女から、「別れたい」という連絡が来たんです。慌てて彼女の家に駆けつけたのですが、彼女の意志は変わらず。
「正直、将来は結婚したいし、子どもも生みたいんだ」
「実は、好きな男の子がいるんだ」
と打ち明けられました。
ものすごくショックを受けました。好きな相手が男の子で、しかも「子どもが欲しい」「結婚したい」と。そう言われてしまったら、私の入り込む隙はどこにもないじゃん、と打ちひしがれました。
それで、失恋のショックやこれまで抱えてきた気持ちについて、周りに言える人がいなくて、自分でもどうしてよいか分からなかったので、12月30日の年の瀬に広島から車で14時間かけて、東京の新宿二丁目に行ってみたんです。
無茶な行動をするくらい、切羽詰まった気持ちだったんですね。
新宿二丁目は同性愛の人が多いっていう情報だけを頼りに、ふらふらとレズビアンが集うバーにたどり着きました。
そこでバーのお姉さんに話を聞いてもらったところ、「同じ境遇だから分かるよ」って言ってもらえたし、お客のお姉さんに気に入ってもらえて、誘ってもらったり、いわゆる遊びの付き合いを体験したりもしました。
そうやって傷を癒やして広島に帰ってきたんですが、でも心は満たされていませんでした。
求めていたのは、心と心で繋がれるパートナーだったし、それに、自分は結局、特別な場所でしか本音を言えないのかな? それって変じゃないかな? と思ってしまって、とても空虚な気持ちになったんです。
そんな折に、同じく教師として働いていて遠距離恋愛の状態だった彼女から、「別れたい」という連絡が来たんです。慌てて彼女の家に駆けつけたのですが、彼女の意志は変わらず。
「正直、将来は結婚したいし、子どもも生みたいんだ」
「実は、好きな男の子がいるんだ」
と打ち明けられました。
ものすごくショックを受けました。好きな相手が男の子で、しかも「子どもが欲しい」「結婚したい」と。そう言われてしまったら、私の入り込む隙はどこにもないじゃん、と打ちひしがれました。
それで、失恋のショックやこれまで抱えてきた気持ちについて、周りに言える人がいなくて、自分でもどうしてよいか分からなかったので、12月30日の年の瀬に広島から車で14時間かけて、東京の新宿二丁目に行ってみたんです。
無茶な行動をするくらい、切羽詰まった気持ちだったんですね。
新宿二丁目は同性愛の人が多いっていう情報だけを頼りに、ふらふらとレズビアンが集うバーにたどり着きました。
そこでバーのお姉さんに話を聞いてもらったところ、「同じ境遇だから分かるよ」って言ってもらえたし、お客のお姉さんに気に入ってもらえて、誘ってもらったり、いわゆる遊びの付き合いを体験したりもしました。
そうやって傷を癒やして広島に帰ってきたんですが、でも心は満たされていませんでした。
求めていたのは、心と心で繋がれるパートナーだったし、それに、自分は結局、特別な場所でしか本音を言えないのかな? それって変じゃないかな? と思ってしまって、とても空虚な気持ちになったんです。
失恋は誰にとっても辛いものですが、同性愛の場合、現在の日本では、「結婚できない」という制度的な問題とも直面することになります。外国では同性婚が認められる国や地域もありますが、日本は偏見も根強くあり、同性婚を認める法律に反対する声もあるのが現状です。
法的に結婚が認められていないということの中には、「男女の夫婦」には認められている権利が得られないという問題も横たわっています。
さて、失恋という大きな悲しみと出会った高畑さんですが、実は同時期に、もうひとつ苦しい問題と向き合っていました。