理論社

第10回

2020.09.15更新

自分の道を見つけたい! 第10回 ここいろ篇4

當山さん(あっきー) 當山さん (あっきー)
彼女に叱られたことで、はじめて「そうだ、誰かに思い切ってカミングアウトしてみよう」と思うことができました。それで、当時ジムのバイトで一緒だった一歳上の男の先輩に言うことにしたんです。
その人は男女関係なく誰でも受け入れてくれる感じの、とても信頼できる大好きな先輩だったんです。この人ならきっと受け入れてくれるかもしれないと思って、勇気を出してカミングアウトしました。
もう、震えながら言ったんですよ。
すると、いつも通りな感じで、「そうだったんだねー」とうなずいたあとに、こんなことを言ってくれたんです。

「でもさ、それってさ、めっちゃ魅力だと思わん? 人と違うってことは、すごい魅力だと思うよ。だから、絶対もっと外に出していったほうがいいよ」
「多分今から、オレ以外にもいろんな人に言っていくんでしょう? もしかして、ひょっとしたらさ、周りは敵ばっかりになったりするかもしれないよ。それは分からない。でも、オレは絶対にあーづ(當山さんの女性時代のあだ名)の味方だからさ。オレは絶対にあーづのこと守るから、堂々と生きたらいいんだよ」

先輩の言葉がもう、衝撃すぎて……。
この人が味方だったら、何でも出来るなって思ったんですよ。この人は本当に本気で言ってるなってことが分かる人だったから。
「オレが守るからあーづはあーづらしく生きていいんだよ」と言われて、ああ、自分らしく生きていいんだ、もう何も怖いものないやって思ったんですよ。

で、そっからもう、いろんな事がどんどん動きはじめました。
以前は病院に電話するのすら怖かったのに、診断を受けるために病院に行って、学校にもカミングアウトして、教育実習にもメンズスーツで行ったり。羽が生えたように自由になっていったんです。
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