女子の親友が女子と付き合ってたことが判明!
バレーのおかげでテストが2点から100点に!?
さて、今回はお二人の青春時代の恋愛や、学校改革のお話をうかがいます。 まずは、同性愛者の親友とバレーのおかげで、学力が飛躍的に伸びたという、當山さんの中学時代のお話からです。
(あっきー)
バレー部員は割とキャピキャピした女子が多かったので、体育会系なノリのバスケ部やハンド部の女子たちとよくつるんでました。バレー部女子達が、野球部の男子を見て「きゃっ」とか言うノリに付いていけなかったんですよ(笑)
中学校はすごい荒れてる学校で、自分も勉強ぜんぜん出来なかったので、高校なんて行けないだろうなって思ってました。行けるというイメージすら持ててなかった。
ところが、小学校のときに一緒にバレーをやってた親友で、親にバレーの強い他の中学校に行かされた子がいたんですけど、ある日その子から電話があったんです。
「同じ高校に行って、また一緒にバレーやらない?」って言われて、その高校っていうのが、地元では有名な進学校だったんですよ。
ぼくは中学の1、2年は、勉強ぜんぜん出来なくてチョー成績悪かったので、そのままじゃ絶対に合格できない。担任の先生にも「無理だよ」って言われました。でも、親友と一緒の高校でバレーやりたかったから、3年生から急に、めっちゃめちゃ勉強頑張りだしたんです。
英語2点だった奴が、3年になっていきなり100点採ったりしたんですよ(笑)
なんと、當山さんは「バレーをやりたい」という一念に引っぱられ、猛烈な努力の結果、最低辺からトップに昇りつめるかのように成績を上げていきます。
「3年なのに、1年で習う英語のbe動詞が何かも分からない」というレベルだったそうですが、それが「分かる」という状態になったことが、「勉強って面白いな」という目覚めに繋がったそう。
よく「勉強ができない子は、なにが分からないかすら分からなから、質問することもできない」なんて話を聞きますが、小さな突破口を開いたら、そこから一気に開花するという可能性は、誰もが秘めているものではないかという気がします。
そしてこの可能性の芽は、勉強だけに限らず、あらゆるジャンルに潜んでいるように思います。
當山さんが勉強を楽しいと思うようになっていった理由は、親友に誘われた塾で出会った他校の生徒たちが、気の合う人たちで楽しく、塾の先生が面白かったことも要因とのことでした。環境を変えることでも、人は大きく変わるのですね。
「ここは自分には合わない」と思った場所には執着せず、さっと環境を変えてみて、付き合う人を変えるというのは、なんらかのつまずきを解決するために有効な手のひとつなのかなと思います。
さて、中学校の成績をアップさせた當山さんは、志望校の「個性入試」の推薦枠に推してもらえることになり、バレーの特技が認められて、みごと合格を果たします。
なんとも目の覚めるようなサクセスストーリーですが、當山さんが山の頂上に到達するように目標を達成できた要因を考えてみると、「バレーがやりたい」という、自分の「好き」にどこまでも忠実になったことが大きいのではないかと感じました。
「好き」という思いの強さが引力となって、親友からの誘い、よい塾仲間、楽しい先生という、夢を叶える助けとなる材料を引きつけたかのように見えます。
「思いの強さはエネルギーとなってさまざまな助力を引き寄せる」というのは、私自身も、これまで生きてきた経験からも感じることです。
なにかを強く望んで掴もうと、ぎゅーっと腕を高く伸ばすと、なにかは掴める。
その「なにか」は、すぐに幸せや成功を運んでくれるものではないかもしれませんが、人生を生きるための重要なヒントが、手の中に飛び込んでくるように思うのです。
(あっきー)
でも、内心(おまえもそうだったんだ〜)とは思ったものの、その子は「女の子として女の子と付き合っている」という状態だと思っていたので、「女の子であること自体に違和感がある自分」とは、またちょっと違うなと感じていました。
だから、やっぱり自分の性のことについては話せず、自分の事が分からないというモヤモヤした状態は続いていました。
恋愛については、中1のときにひとつ上の女子の先輩ですごく仲良しで好きな人がいました。でも、そのときは、これは「思っちゃいけない好きだぞ」と、気持ちを押し殺しました。
そして中3で、好意を寄せてくれる男子が現れて、素敵な人だったんで付き合ってみたんです。でも、一緒にキャッチボールして遊ぶという、スポーツ友達みたいな付き合いで(笑)
相手はすっごいオシャレで、中学生なのにデートに大人っぽいジャケットとか着てくるような子だったんだけど、こっちは女の子の服を持ってないんでジャージ着てったりしたんですよ(笑)
で、スポーツ友達としては好きだし楽しかったんだけど、向こうがイチャイチャしようとして顔を近づけてきたときに、「ムリッ!」ってなって、顔をそらしちゃったんです。それから距離ができてしまって……結局お別れすることに。ほんとにごめん! って思いました。
現在もスポーティな服装が多い當山さん。デートにジャージを着て現れる姿が目に浮かぶようです。
この話を聞いて、そういえば自分の高校時代にも「スカート嫌なんだ〜」と言っていた友達がいたことを思い出しました。常にスカートの下にジャージを着ているのが印象的な、ショートカットのボーイッシュな子でした。今思えば、「自分は男だ」という認識だったのかもしれないと思います。
「顔をそらしちゃった」という話には、高畑さんも「あ〜、分かる〜」と共感。そして二人とも、「相手の子は、ギュッてしたかったんだよね……。避けられてショックだったんだろうねえ」と、溜め息をついていました。
恋愛感情ばかりは、男女関係なく誰にも思い通りにコントロールできないものだと思います。相手の男の子にとっては、「どうして避けられたのだろう?」と思い悩む事件となっていたのかもしれません。
私自身は、中学生のころといえば私服もダサくてモテない女子だったので、當山さんや、當山さんの親友のように性格が明るいと、性別も服装も関係なく、デートにジャージ着ていってもモテるのか……と、単純にうらやましかったです(笑)
そして、當山さんの性自認に関する転機は、高校2年生のときに訪れます。