あなたは「100%男だ」「100%女だ」って言えますか?
セクシャルマイノリティとして生きるお二人にうかがう
LGBTという言葉は、最近ではよく知られるようになってきました。
L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシャル、T=トランスジェンダー、を略したものです。
同性を好きな人や、生まれたときの性別と自分が感じる性別(性自認)が異なっている人など、「女の子が好きな男の子」「男の子が好きな女の子」という限定的な区分には当てはまらない性別や性指向を持った人たちのことを伝えるときに使う言葉ですが、多数派(マジョリティ)とはちがった性自認を持つ少数派(マイノリティ)という意味で、セクシャルマイノリティと言われています。
マイノリティといっても、LGBTの人は、30人の学級があるとすると1〜3人はいるのではと言われており、決して少なくはない人数です。もしかしたらこれを読んでいる方も、クラスの友達がそうかもしれないし、兄弟姉妹がそうかもしれない、あるいは自分自身がLGBTだという方もいると思います。
そんなふうにLGBTの方はたくさんいるのですが、日本の社会では同性愛や、男が女の格好をしたり、女が男のように逞しくふるまうことなどに、偏見を投げかけたり、笑いの種にする風習がいまだ払拭しきられておらず、同性婚を認めるなどの法整備も進んでいないので、当事者は表立って自分の性について公表(カミングアウト)できない、しにくい、という空気があるのではないかと思います。
「本当の自分」を隠して生きないといけない、法律が同性婚を認めていないので好きな人と結婚できない、といったさまざまな障壁が、生きる上で立ちはだかります。
今回からご登場いただくのは、自らセクシャルマイノリティであることを公表し、誰もが自分らしく生きられる社会を目指して、子どもから大人まで、さまざまな人にLGBTについての話を伝えていく活動をしている、「ここいろhiroshima」の、あっきーとさーちゃんこと、當山敦己さんと、高畑桜さんのおふたりです。
ちなみに、最近ではLGBTという考えをさらに発展させた「LGBTQ」という言葉も誕生しています。「Q=クエスチョニング」(※)の意味で、はっきり同性愛やトランスジェンダーの当事者とはいえないけど、自分の性について「よくわからない」という感覚についての言葉です。
この「Q=クエスチョニング」の概念の登場、個人的には、とても面白いな〜と思っています。なぜなら、女として生まれた私も、どうも「完全に女とはいえない感覚」を、昔からもっていたことに、ある時気づいたからです。
當山さんと高畑さんが、広島のカフェ・ハチドリ舎で、ご店主の安彦恵里香さんの発案で定期開催することになったという「セクシャルマイノリティバー」は、そんな自分の「前から疑問に思っていた性自認」について、改めて考えることのできた場でもありました。
※Qには「クイア」の意味も含まれています。セクシャルマイノリティの概念は日々発展しているので、詳細気になる方は調べてみてくださいね。